昔の形意拳家の様な実力を得るには、当時の様な練習をする必要があります。
王薌斎は郭雲深の練習法について次の様に言っています。
郭雲深は毎朝、早朝に起きて渾元樁をし、その後に老三拳をしていました。
老三拳とは裹(かく)、鑚(さん)、践(せん)の事で、形意拳や心意拳の最古の練功法であり技でもあります。
もともと形意拳や心意拳は老三拳しかなかったと言われています。
十大形、五行拳、十二形拳は、老三拳を元に後から出来ました。
老三拳は最も大事で基本的なエッセンスです。
老三拳をしっかり練習すれば、五行拳や十二形拳は自然に上達します。
裹、鑚、践は、別々にやる物ではなく、形意拳や心意拳の全ての動作に同時に含まれている物です。
郭雲深は渾元樁をやった後老三拳をやる事により、五行拳と十二形拳に磨きをかけたのでしょう。
王薌斎の受けた郭雲深の指導の内容を知る事も、意拳や形意拳の上達のヒントになります。
郭雲深は先ず、王薌斎に形意拳の先人達に線香をあげさせて、線香が燃え尽きるまで立たせました。
線香が燃え終わるのに一時間くらいかかります。
次にもう一回線香をあげさせて更に一時間立たせました。
立ち方が悪いと更に立たせました。
この後の練習法について知っている人は少ないのですが、郭雲深の弟子達や郭雲深の住んでいた村の人達によると、この後、郭雲深は他の弟子達と一緒に大杆子を練習させていました。
他の弟子達が五行拳等を練習しに行った時も、郭雲深は王薌斎にだけ大杆子を練習させました。
つまり王薌斎は子供の頃、站樁と大杆子の練習をしたおかげで強くなったのです。
形意拳の上達の為、こういった郭雲深や王薌斎の練習を参考にするのは良いかも知れません。
文: ハワイの武術家 Jun Ming (形意拳、意拳の実力をつける練功法とは)
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